The.fruit

2/5
46人が本棚に入れています
本棚に追加
/203ページ
(ピスメ、歩的) 冷たい雨にうたれて 消えてく感情を必死に掴む 震える手が白く透き通る君を抱く 濡れた瞼の奥 一度も呼べなかった言葉 何度も何度も 呟いては消して   染み渡ってく 透き通ってく 皮肉に晴れ渡った空の下 ただ震えを抑え感情を抑え 君の体に問いかけた 本当の定めはまだわからない   強がって感情無くしたふりして 有り余る感情を心臓に溜めて 息を殺して吐き出す   一度も呼べなかった名前 一度も届かなかった背中 冷たい雨に流されてく 同じ色の血を沸々と   聞こえないふりをした 1番 大切な人の声 耳をふさいでも体中を駆け巡り 心臓に染み渡ってく声   君がいつか言った定めの意味 それよりも誇れる君の存在があった事を 今涙で心臓に染み渡らせる 冷たい雨が温かくなる
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!