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ざらつく砂を口に含み
吐き捨てる 苦い味が残る
公園のベンチに落書きして
ビルの硝子をめちゃくちゃにした
12時の鐘が鳴る広場を抜ける
冷たい夜風が凍みるのも
忘れながら
闇を抜ける線路を
誰かに求めていた
ちぎれた夢の端を握りしめて
幼い掌をひく貴女
貴女の蜉蝣を幾度抱きしめ
裂いた
貴女を夢見ては砂を噛み
貴女を恨んでは失って
後悔に飲まれるのは
もうやめにしよう
僕の羽根が朽ち果てたなら
代わりに足をちぎり取り
また羽根を造って
空を見せてやる
求めるだけなら誰でも出来る
そんなつまらない生き様
晒してやるもんか
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