飛竜の里

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1 カツンッ、カツンッ 足音を響かせ、聖が暗い通路を歩いていく。 足を止めたのは、一つの牢の前で、笑みを浮かべて中を覗きこむ。 「ふふ、気分はいかがですか?」 「……最悪だな」 その声に答えた光輝が、彼女を睨み付ける。 「ふふ、いいんですか?そんな態度とって。あまり気に触るような態度をとると、風夜様との約束破っちゃいますよ」 「……風夜は、どうした?」 雷牙の問いに聖は笑みを引っ込め、つまらなさそうに鼻を鳴らす。 「役にたたないわ。折角の窮姫様の術も抵抗してくれちゃって。……でも、まぁ、彼に襲われた時の花音様の表情は、見せてあげたかったわ」 言って、聖はその時のことを思い出し、クスリと笑った。 「風夜に花音を襲わせたって……」 「でも、失敗。途中まではよかったのに邪魔は入るし、あの子に術は破られたしね」 「じゃあ、二人は無事なんだな」 「残念ながらね。でも」 ほっと息をついた三人に、聖はそう言い、笑みを浮かべる。 「あの子、この世界に戻ってくるみたいよ。いや、もう戻ってきてるかもしれないわね」 「「「!!」」」 聖の言葉に、夜天達は目を見開いた。
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