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『化け物とにゃ!? そういうの、一番傷つくにゃ』
「あ、ご、ごめん……でも、それ、何? コスプレってやつ……?」
『んにゃー!! 失敬な。これは歴とした耳にゃっ!! 耳であり、耳以外の何物でもないにゃ』
「で、でも……さ、触っても?」
『だ、だめに決まってるにゃ。これでも乙女。何百年生きていようとも、乙女だにゃ』
乙女さんは僕の体からトトッと離れる。
ハッキリ言えばかなりの美少女だ。
長いまつげ、艶のある唇。
でも今は、階段の光が彼女の後方で光り輝き、どこか人間離れした印象を強くする。
それに、何百年とは何だろう。
あの飾りの様な耳は本当に耳なのだろうか。
僕の懸念をよそに、乙女さんにミケがゆっくりと近づいていく。
ミャーミャーと、僕に向けた何倍も可愛らしい声で鳴いている。
「その……乙女さん。いろいろ意味が分からないんだけど、その……」
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