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「で、なんで、外に出ているんだ?」
案内をする縁の後ろをついて行くと、外に出た
「なんでって、本家が山の麓にあります」
「は?」
先程屋根の上から確認した時、ここは山の頂上に近い所にあった、空気の感じから察するにそれなりの標高の山
「ここから二日はかかります、気長にいきましょう」
おかしい、隔離する事やら監視する事やらおかしい事だらけだな、そしてなによりおかしいのはそれを何事もなく受け入れている彼女だ
「この道をまっすぐ行けば、危険もないですよ」
危険のある道を通らなければ両親にも会えないか
「…ふざけやがって」
小声で毒突く、甘えたい盛りの年齢でたった独りで死ぬまでの時間を潰す一生、馬鹿げている、そんなことは許されて良い筈がない
「なにか言いました?…きゃ!」
真後ろにいたななしは首と膝のあたりに手を入れて抱える、いわゆるお姫様抱っこだ
「しっかり掴まってろよ」
「え?」
「はやく」
「はっはい!」
縁は首に手を回す、それを確認してから
「行くぞ」
跳んだ
「きゃぁあああ!」
「ほらほら、力緩めると落ちるぞ」
「きゃああぁああ!」
聞こえていないようだ、まあいいか、気絶するまでにつかないとな
「きゃぁあぁあぁぁああ!」
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