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少し歩くと大きな屋敷が建っていた、目的地はここらしい
「ただいま帰りました」
縁に連れられ入った本家はなぜかバタバタしていた
「いつもこんなに騒がしいのか?」
「そんなことはないんですが…どうしたんでしょう?聞いてきます」
近くを通った黒服の男を呼び止める
「何かあったんですか?」
「ああ、縁様が誘拐されたんだ!」
大慌てで意味の分からないことを言う
「えぇ!私が誘拐された!」
こいつ等馬鹿か
「そうなんだ、そこの男みたいな赤髪の男に担がれていったそうだ」
「ななしさん!なんで私を誘拐したんですか!」
こいつは馬鹿だ、何も言わないで見ていると
「そういえば、ご用はなんです、縁様?あれ?縁様!?」
あ、やっと気が付いた
「みんなー!縁様が帰ってこられたぞ!」
「「「「「なんだってー!」」」」」
数十人が一斉にこっちに走ってくるのは圧巻の一言である
「縁様!大丈夫でございますか!」
「そこの男は一体!」
「お怪我はありませんか!」
「恋人ですか!おにーさん許しませんよ!」
「うおおおおおおお(男泣き)」
一斉に話しかけるな、わからんだろう
「一さん大丈夫です、次郎さん今回はそのことで参りました、三日月さん怪我はありませんよ、新さん誤解です、五郎さん泣かないで私は大丈夫ですよ」
うわ、この娘すごい
「お母様のところに案内してもらえますか?」
「「「「「はいよろこんでー」」」」」
すごい一体感を感じる
「なにこれ」
思わず零れた独り言は誰の耳にも入っていなかった
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