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あの笑っている縁を見ると何かが引っかかる、気のせいなのだろうか?よく知るあいつの顔が過ぎるのは、あの俺を後ろからぶっ刺した、あのクソ猫が頭を過ぎる
「どうしたんですか?」
振り返る仕草が記憶を刺激する、それを振り払うかのように
「なんでもない」
と返した、あのクソ猫は元気だろうか?
「こちらです」
大きな扉の前に案内された、先に縁は中に入っていった
「…でかいな」
「ははっ、ここに来られた方は大体そのような反応をされますよ」
黒服の一人が横から話しかけてきた、やめろよ、友達とか思っちゃうだろ
「すまないな、俺のせいで迷惑かけたようだ」
冗談はさておき、謝っておくことにする
「大丈夫ですよ、縁様が無事なら」
笑う、悲しそうに、他の黒服も同じように
「まるで保護者だな」
「そうですね、小さい頃から御仕えして参りましたので」
扉をくぐるり少し長い廊下を歩く、その途中で立ち止まる
「…縁様をよろしくお願いします、我々では力不足でした」
そう呟いた、手に力が籠っていた
「無論だ、それがあいつとの約束だから」
そう、即答した
「……」
「どうしたんだ?」
「我々は命を懸けてこの一族をお守りしてきました、他人にそれもどこの馬の骨ともわからない男に頼まないといけないなんて…恥だ」
「そうだろうな、だから信んじろとは言わん、もし俺が彼女との約束を違えた時、俺を殺せばいい」
「それでは遅いのです、だから死んでも守れ」
「死守か、嫌いな言葉だ、だが承った」
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