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「どういう事だ?小娘」
座っている女の子を上から見下すように睨む
「お話しだけでも、していきませんか?」
それに動じず、こちらに微笑んでくる
「ちっ!」
舌打ち、そして座る
「あら?てっきり私を殺して出ていくとでも言うと思ったのですが」
「どうせ、それも対策しているんだろう?」
「当然です!」
年相応に胸を張って得意げに笑う
「話とやらを聞かせろ」
女の子の前に座る
「単刀直入に言います、私の家族になってください!」
「は?」
真剣な顔で変なことを言うので聞き返してしまった
「だから、私の家族になってください!」
「聞こえている、どういう事だ?説明してくれ」
「その前に自己紹介を…『雅乃島 緑(みやびのしま えにし)』と申します、陰陽師です」
「陰陽師様か、それがどうしてどこの馬の骨ともわからん俺を?お嬢さんみたいな娘だったら引く手数多だろうに」
「?なにか勘違いしてません?」
「なにがだ」
「私が言うのは、式神になってほしいという意味でして…私の家では式神は家族のように扱うので…あいた!」
どう聞いても勘違いする言葉だったのでデコピンを食らわせる
「で、どうして俺を式にしたいと?」
涙目になって額を抑えている縁に聞いた
「力がほしいんです、禁忌に手を出さないといけない程に」
真面目な顔になって思いつめた表情をする縁に
「それはなぜ?」
と聞いた、これは間違いだったのかもしれない、なぜなら返って来た答えは
「五年後、私は贄になってしまうからです」
無視はできない答えだったから
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