裏萌え、眼鏡

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怒ってるのかもしれない。 心配されてることはよくわかる。 「あなたから貰った眼鏡を否定されたからよ」 彼はきょとんとした。 「それ以上の理由がある?」 私は強気に言って席をたつ。 料金なんて払っていられない。 「眼鏡は男避けにって、贈ったときに言っただろ」 「付けると別人になれる自分が好きなのよ」 ナルシストかもしれなけれど。 「俺は似合うと思ってる」 彼は狡い。 「だけど誰かに君を渡すきもない」 誰にも聞こえないくらいの囁き。 バーや居酒屋で絡む男とは違う。 私も彼を取られたくはない。 だって、彼には奥さんがいるのだから。 けれども眼鏡は指輪の代わり。 私と彼を結ぶ秘密の鎖だ。 完 20161102
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