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刹那、アルバは声にならない悲鳴を上げた。彼の住む村は小さな、けれど平和な村だった。それなのに今は、グール(食人鬼)達が村人へと襲いかかり食らいついている。
(どうして、どうして、どうして……どうして!?)
この村に、魔法が使える者はいない。だから村人も、そして母もただ逃げることしか出来ない。
けれど、それも長くは続かず――スカートを掴まれ、強く引っ張られた母はそのまま転んでしまった。その勢いで、アルバも一緒に地面に転がる。痛かったがそれよりも、慌てて離れていく母へと手を伸ばした。
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