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美波と共に家に戻ったが、恵里のクルマはまだ居なかった。
BRZをガレージに止め、シルビアはガレージに横付けするように止めた。
「まだ来てないんだね」
「そうみたいだな」
家の明かりも点いていない。電話来てから30分ほどなので、あと10分から15分だろう。コンビニに寄ってから帰ってもよかったかもしれない。
振り返り、ノーマルのBRZとシルビアを見比べてる。
S15顔のS14シルビアは真っ赤なボディに、フロントにORIGINのストリームライン、サイドに同社のレーシングラインを組み合わせている。
オフセットさせたナンバーは、前置き化されたランエボ9純正インタークーラーの邪魔させないためだ。
リヤ周りは後期テールにウィングレス、エアロのディフューサー部を黒に塗り分け、GPスポーツのエグザスEVOチューンのチタンテールが輝いていた。
フロントに白のアドバンレーシングRGの17インチ8J、リヤはシュティッヒのメッシュ3で17インチの9J。
タイヤはフロントにグッドイヤーのイーグルRSスポーツの225/45R17、リヤにピンソのPS-91の235/45R17を組み合わせている。
室内を見ると、ブリッドのフルバケットシートにモモのドリフティング。シフトノブはロンザの円筒タイプ。
こうして見ると、走り屋らしいクルマに仕上がっている。それでいて、巧く纏まっていた。
「いつも思うが、腕が上がったよな。ほとんど自分でやっているんだろ?」
「まぁね。勉強の為ってのがあるけど」
「十分良い腕だよ」
正直にそう思う。そして照れる美波が見たいのもある。
「ありがと。あ、来たみたいだよ」
タイヤが砂利を踏みつける音に気づいた美波と同じところに視線を向けた。
パールホワイトのレクサスIS350 バージョンFだった。
エアロは純正バンパーにブリッツのリップスポイラーのみで、程良く落ちた車高が他と違う雰囲気を出している。
ボディカラーにマッチした18インチのRS-Dのマシニングブラックで、走りを意識したセレクトだ。
エキゾーストは静かであるが、僅かにノーマルでない重低音が混ざっている。
「すげぇクルマに乗り換えたんだな」
降りてきたのは、パンツルックのダークのスーツを着込んだ恵里だった。
ショートカットだった髪はセミロングまで延びてウェーブが掛かっているが、明るい茶色の髪色はそのままだった。
「ただいま。二人とも」
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