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「やっぱり凄い人なんですね。亜衣華さんって」
美波はナポリタンを平らげると、フォークを置いて口元をティッシュで拭いた。手鏡をカバンから取り出してリップクリームを塗り直す。
亜衣華の方を見ると、里沙との話はまだ続いていた。
「人を惹き付ける魅力というか、カリスマ性を自然と発揮できているところが凄いかもしれないわ。世界を相手にする女優には必要な要素ね」
未来は美波の平らげた皿を台所に置いた。分け隔てられた槽に水を溜める。
「もちろん、カリスマ性プラス何かが無ければ、生き残るどころか見向きもされない世界で、先輩は生き残っている」
自身も食べ終えた後の空になった袋をゴミ箱へと捨てた。
「私は女優として生きている先輩を誇りに思う。美波ちゃんもそう思わない?」
美波は迷い無く頷いた。ハッキリと言える。
「私も誇りに思います。亜衣華さんと知り合いと言うことに」
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