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ENKEIのPFM1で17インチ、リム幅はフロント7.5のリヤ8.0。このガンメタリックのホイールはメッシュのようなデザインで、BRZのような最近のクルマにもよく合う。
少なくとも俊哉はそう思っていた。オーナーがそれで良いなら良いのだ。
タイヤはゼスティノ グレッジ07R。聞いたことの無いタイヤであるが、食いつき、コントロール性、ライフが高次元でバランスされたタイヤで、値段も手頃とのこと。
サイズはフロントに215/45R17、リヤが225/45R17。この組み合わせが最もバランスが良いらしい。
『ストリートメインならこれがベストだよ~。足回りはそれからでも大丈夫だね~』
選んだ本人、立花亜衣華はそう述べていた。
乗せて貰ったお礼とタイヤを減らしたお詫びで新品のタイヤとホイールを寄越すのだから、やはりスケールが違う。
逆に言えば、クルマのお金のかけ方を知っているとも言える。ミシュランは前回の走りで大分溝が減っていたが、まだ使える。贅沢なドリケツである。
しかし、本当に素晴らしいセレクトだ。タイヤの縦方向の剛性が高いためにたわみをバネとして使うことは難しいが、その分、足回りのセッティングに集中できそうだ。
といっても、車高調を導入する金は無いわけだが。
「ゴメン、おまたせ」
美波がいつものツナギ姿で家から出てきた。預かっていたシルビアのキーを投げ渡すと、難なく受け取った。
「工具は積み替えた。インパクトは貸してもらえると思うが」
「そうなんだろうけど、電動とは言え、使い慣れた工具の方がなんとなく、ね。さ、早くいこ?」
そういうモンなのだろうか。まぁ、分かるようになるのかもしれない。暖機していたBRZに乗り込んだ。
美波がシートベルトを締めるのを確認すると、クラッチを踏んでギヤを入れた。
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