失われた『   』

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   目を開けると、そこには、やはり、先程までと変わらぬ現実がそこにある。何度、目を背けたところで、それは変わらない。  ああ、なんて事だ。  あああ、なんて日だ。  よりにもよって、何でソレを……俺が何したってんだ。最悪だ。  くそ、くそ、くそ。畜生。  何でだよ。どうしてだよ。  何で……ああ。あああ。  俺は、夕暮れの駐輪所で、買い物袋を落として天を仰ぐ。誰だ……誰がやった?  誰が何の為に……くそっ。 「誰だよ! 俺の自転車のサドルを盗んだのは!」
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