No.1 「代償はお前だ」

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「水でも目が覚めないの? ーー起こしてあげるわ」 「!」 すっ、と目の前に現れた美しい何番目かの妃の人が、私を見下して笑った。 それはほんの一瞬で、今度は熱い液体が頭にかかった。 更に間髪入れず腹の真ん中に彼女の足蹴りを貰い、私は「ぐっ」と鈍い声を発し、有無を言わさず畳に倒れ込んだ。 (足蹴りくらい、セリならかわせたでしょ。なにボーッとしてんの) 頭の中に聞こえるユザが、ため息をついて呆れている。 うるさいな。わかってるよ。 味噌の匂いがするから、たぶん私は味噌汁をぶっかけられたんだ、と畳に倒れたままで理解した。 こんな時にも冷静でいられる自分は鍛えられてるなぁとは思う。 味噌汁を私にかけた彼女は仁王立ちして私を睨んだ。 「貴女、身分を名乗りなさい。どこからきたの」 「……名乗るほどのところではありません。」 「…そう。どこのご身分にしろ、ザクロ様が折角ご用意して下さったものをぞんざいに扱うなんて…ね!!」
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