優しい彼の声

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私は恐らくひとつきほど入院している。 時計は見えないし日光も感じられない。 定期検診と言う彼の言葉から、おそらくそのくらいの月日が流れていると予想していたのだった。 「喜んで下さい、――さん。目が見えるかもしれないです」 私はその言葉にどれだけ救われただろう。 見える! この暗闇から解放される! どれだけ待ち焦がれただろう。 「明日、手術しますね」 ああ明日か、明日になれば私はまた外を見ることが出来る。 その嬉しさで眠れそうにないわ。 「では麻酔しますね」 意識が遠のく。 たぶん昨夜は眠れてない、ずっと興奮状態だったのよ。 私は心地よい眠りに誘われたのだった。
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