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(……っ!? 何か、奈々……ちょっと大人っぽくなった?
身長や髪も伸びて、手足も昔より長くなって……。)
「……お兄ちゃん? どうしたの、ぼ~っとして。」
「……っ!? な……何でもないよ。それより、奈々まだ下駄に慣れてないんだから、転ばないようにな。」
「もう私も12歳なんだから、そんな簡単には転ばな……きゃっ!?」
バランスを崩した奈々を咄嗟に支えたから、俺の腕の中に奈々がすっぽりと収まった。
(奈々って、こんなに華奢で柔らかくて、女の子らしかったっけ? うなじも何かちょっと色っぽく見えるような……。)
「……お兄ちゃん? 夏祭りまだ行かないの?」
「……わっ!? そ……そうだったな。よし、今年もいつもの“特等席”で、花火見ないとな。」
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