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……夏祭りの屋台を、たくさん楽しんだ俺達は、いつもの“特等席”に向かった。
その場所は、俺が小一の時に見つけた穴場で、奈々と俺だけの秘密の場所。
あの日以来、毎年ここに来るのが、俺達の恒例行事となっている。
ーーーードドーンッ!!
夜空に大輪の花が咲き、大きな音が鳴り響く。
「わぁっ!! お兄ちゃん、今年も花火が綺麗だね。」
「そうだな。近くで見えるから綺麗だし、凄い迫力だよな。」
嬉しそうに花火を眺める奈々の横顔が、何故だかいつもと違って見えて。
俺の胸の中に、今まで感じた事のないような、ざわついた感情が湧き上がる。
(今日の俺……何かおかしくねぇ?)
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