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「わぁ、イルミネーションが綺麗ですね。」
「そうだな。」
成実ちゃんは、寒さのせいもあってか、今日はやけに身体を俺に密着させてくる。
(歩きにくいから、手を繋ぐだけで我慢してくれればいいのに……。)
内心そう思いながらも、それを悟られないように、成実ちゃんとゲーセンやら買い物を楽しんで誤魔化した。
……そして、あちこち歩き回って、歩き疲れた頃。
俺は、ちょうど座る所があるのを、斜め前方に発見した。
人気(ひとけ)もあまりないし、ゆっくり休憩できそうな雰囲気。
「何か温かい物でも飲もうか? ちょうどあそこにベンチもあるし。」
「はいっ!!」
近くの自販機で、ホットコーヒーとホットココアを買ってから、俺達はベンチに二人並んで腰掛けた。
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