41人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーーー分かっていたんだ、本当は。
今まで両親がどれだけ愛情いっぱいに、俺を育ててくれたかを。
俺にも奈々にも……深く平等に。
でも、素直に『ハイ』と父さんの話を受け入れるのは。
何となく……どうもシャクにさわる。
俺の中の何かが、それを拒否している。
「話はそれだけ?」
「……拓海?」
心配そうに伸ばされた父さんの腕を、俺は容赦なく勢いよく払い落とした。
「そんな事、いきなり言われても困るんだよ!!
今まで俺一人……何も知らずに育ってきたって言うのかよ!? 俺だけ……本当は赤の他人だったなんてっ……。」
「拓海、よく聞いてくれ!! 俺達はそんな風に思った事は一度もない。お前は……俺達の大切な家族だ。」
最初のコメントを投稿しよう!