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「……っ。」
そんな事、分かっている。
父さんと母さんが、どれだけ俺を大切に思ってくれているか。
でも、今まで騙され続けていたのも、事実な訳で。
素直にこの現実を受け止めるだけの器は、残念ながら今の俺は、持ち合わせていない。
「奈々にも、まだこの事は話していないんだ。だから……。」
「もう、いい!! 分かったよ。奈々には黙ってればいいんだろ!?
父さん……今は俺、一人になりたい。だから……もう話が済んだなら、さっさと部屋から出て行ってくれよ!!」
「拓海……。」
何とも言えない苦しそうな表情のまま、肩を落としながら父さんは、俺の部屋をあとにした。
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