雅の話

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「いいよ」 雅は蒼多のお願いをサラッと受け入れた。 「俺さ、聞き耳頭巾が本物だって言っても、ずっと信じてもらえなかったんだ。自分の家族からもさ……。だから、ちょっと家族から離れてこっちに来たんだけど、こっちに来た1番の理由は、俺の話を信じてくれる人を探したかったからなんだ。だから、ぜひ仲間になって欲しい。お願いします」 雅は頭を下げ、蒼多にお願いした。その様子に蒼多は慌てる。 「ね、ねぇ、ボクら仲間になるんだから、おじぎじゃなくて握手しようよ!」 蒼多は右手を差し出しながら提案した。 「そうだね。俺達は仲間になったんだ。これからもよろしく」 「ボクの方こそよろしく」 雅と蒼多はお互いの手を握った。 「じゃあ、ボクそろそろ帰らなきゃいけないから、また明日学校で話そうよ!」 蒼多は笑顔で雅に言った。 「うん、今日はありがとう」 雅も笑顔で返事をした。 そして、蒼多は雅と雅の祖母に見送られながら自分の家に帰っていった。
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