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「この話を読むと、カワランベーって河童だから川に住んでいたんだよね?だけど、雅君はカワランベーに会うためにこの裏山を登ろうとしていた……。どうして?」
蒼多は素朴な疑問を投げかける。
「この話の最後、“カワランベーは姿を消した”って書いてあるだろう。だから川にはいないと判断した。それで後は動物達の噂話を聞き耳頭巾を使って集めた。そしたら、カラス達が“川の源流が流れる二篠山(にしのやま)の中でカワランベーを見た”って言っていたから、俺はこの裏山を登ったんだ」
と雅は静かな声で答えた。
すると、
「へぇ、アホ多。何、宇賀神と楽しそうに話してるんだよ。オレらも混ぜろよ」
という声が聞こえた。蒼多が振り向くと、昨日蒼多をいじめていた男の子達が立っていた。
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