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「モモ、この間はカワランベーのことを教えてくれてありがとう」
聞き耳頭巾を被った雅は気さくにカラスのモモに話しかける。
“小さかったマサ坊が大きくなって帰ってきたとこの間は喜んでいたんだけど、またすぐに来るとはね。そっちの人間は誰だい?”
「あぁ、俺の仲間なんだ。俺とモモが会話ができることも知っている。名前は……」
雅は蒼多を紹介しようとして詰まる。
雅君の話しか分からないけど、ボクの名前が答えられなくて詰まっているな……。
蒼多は何となく話の流れを読み取る。
“何だい、仲間なのに名前知らないのかい?”
「ボク、上田蒼多って言います。よろしくお願いします!」
蒼多はカラスに向かって一礼した。
“……まぁ、礼儀はあるじゃないか”
「だから彼もこの場にいることを許して欲しい」
“……仕方ないね”
「ありがとう!」
“で、用事は何だい?”
「あ、モモに聞きたいことがあって来たんだ」
雅の言葉に蒼多は、
あ、いよいよ話すんだ。
と注意深く聞こうと前のめりになった。
「あのさ、どうやったらモモ達動物みたいに人間も妖怪を見ることができるかな?」
雅はモモをまっすぐ見つめながら聞いた。
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