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“妖怪を見たいだって?なんでまた急に?”
「俺達、カワランベーに会いたいんだ」
“ふぅん。この間私に聞いてきた妖怪だね。まぁ、マサ坊達人間の考えは私には理解できないから理由は聞かないよ。”
「ありがとう。それで妖怪を見る方法ってあるのかな?」
雅は再度モモに尋ねた。モモは体を毛づくろいして、雅をまっすぐ見つめた。
“私達は見ようと思って見ている訳じゃないからねぇ。人間はもちろん、神も妖怪も同じように見えるから”
雅はモモの発言に目を見開いた。
「えぇっ!そうなの!?」
雅の驚きに蒼多はびっくりした。
ボクも話を聞きたいよ?!でも、我慢我慢!
蒼多は必死で自分の感情を抑える。
“私達動物は神や妖怪の使いとして働くためにいるからね。見えなきゃ仕事ができないよ。もし神や妖怪がいなくなったなら、それは人間から信じられなくなって消えてしまったっていうことだね”
モモの言葉に雅はまた反応する。
「じゃあ、人間が信じていれば神や妖怪はいるってこと?」
“昔は神や妖怪と人間はお互いを見て話をすることもできたんだろう?今だってできるんじゃないのかい?人間側が信じて見ようとしないだけでさ”
「人間側が信じて見ようとしないだけなのか……。神や妖怪は今も変わらずいるのに……」
雅はポツリとつぶやく。
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