白線の内側から下がって、御乗車お願い致します

2/20
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
 午前9時30分過ぎ、総武線岩戸駅構内で、制服を着た長髪の女が駅改札口で駅員を呼ぶ。 「駅員さん、駅員さん」 「どうしました?」溌剌した駅員が笑顔を見せる。 「すみませんが、遅延証明書頂けませんか?」 「……今日は特に遅延はしていませんが」 「遅れましたよ」 「どんな理由で電車が遅れましたか?」 「…信じてくれないとは思いますが、正直に言います。見知らぬ人同士が車両内で戦っていました」 「車両トラブルですか?」 「違います。銃らしきもので応戦していました、よくわからない光を杖の先から放っている人達から」 女はため息をつく。でも、本当の話しだから……仕方がなかった。 気を失って目を開けると、そこには……箒に跨った人達と変わった拳銃を持った人達が戦争をしていた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!