11.純白な彼女

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クラスに馴染むのに時間は掛からなかった。 コミュニケーションスキルは海外で学んだし、人見知りもしない。 日本より海外の方が積極的に差別問題に取り組んでいることもあって、分け隔てなく人と接することが自然と振る舞えるようになった。 転入してすぐ、クラスのみんなと打ち解けた。 ある一人を除いてだけど…。 それには理由があった。 合同体育の授業がきっかけで親しくなった普通クラスの男子。 ここでは普通クラスを”凡クラ”と呼んでいるらしい。 その中心にいた男の名前は瀬川健。 背は普通だが、顔立ちがよく、いわゆるイケメンだ。 馴れ馴れしい奴だが、嫌みを感じさせない男だ。 話の波長や互いの趣味も合い、どこか性格も似ている俺たちはすぐに仲良くなり、特クラの連中も含めてよく絡むようになっていった。
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