11.純白な彼女

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「ほんとだ。 この前の全国模試の結果聞いたか? すげーよな」 「聞いたそれ。 うちの学校では過去最高の成績らしいよ」 「意外だよな。 入学式の新入生代表挨拶も白河さんだったじゃん。 見るからにして勉強とか出来なさそうなのに」 話の輪に入り損ねた俺は、何も聞いてませんアピールをする。 「けど普通にかわいいよな。 ちっこくて、白くて。 意外に人気あるらしいよ」 …初耳なんですけど。 それより、どうして彼女のことになると胸が落ち着かなくなるのだろう。 「あの噂本当らしいし。 あれさえなければ近づけるのにな」 「ああ、入学してからずっと噂のあれね」 …噂? あれって何だ? 「男嫌いだろ?」 「はっ?」 あ、と気づいた時は遅い。 「……」 賑やかだった空気が一転静まり返る。 健はぽかんと口を開けて停止すると、すぐに俺の異変を察したのかその数秒後には含み笑いを浮かべた。 「なに? 意外でちゅね~怜斗くん。 白河さんのことが気になるの?」 その言い方マジでうざい。 「…なわけないじゃん」 冷静に返したけれど、健たちには通用しなかった。
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