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蕁麻疹…。
突然に発生し、非常に痒みの強い皮膚病。皮疹が部分的、あるいは全身にめまぐるしく出現するやっかいものだ。
親戚の一人が小さい頃に蕁麻疹に苦しめられ、そのひどさを知ってるからか、聞いていい気はしない。
「それ、本当なのか?」
「噂だけどな。
男子と話すところなんて一度も見たことないし、そうなると納得できるだろ?」
「……」
「でも、俺とはよく話してくれるんだよな」
「健が自ら話に行くだけじゃん。
しつこいぐらいに」
「そーだけど。
でも俺に笑いかけてくれるし。
怖がる様子もないし、むしろ楽しんでくれてるから」
健はわざとと言わんばかりに挑発してくる。
「健、その辺にしとけよ。
怜斗のアホ面見れたしもういいじゃん」
「アホ面って…」
こいつら、絶対俺の反応で楽しんでるだろ。
「俺ら協力するし。
頑張れよ」
「ばっ、やめろって!
そんなことされても向こうが困るだけだろ。
蕁麻疹が出るほど男嫌いなんだ。
俺がトリガーにでもなってみろよ」
想像しただけで最悪だ。
「……だな」
「考えなしに安易な考えで行動しても、必ずしもそれが思い通りになるわけじゃない。
相手を傷つける事実の方が大きいんだよ。
お前らもそれぐらいわかるだろ?」
「…ああ、軽率だった。ごめん」
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