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「つーかなんで健たちは俺のクラスに向かってるわけ?」
「いーじゃん、用事があるんだよ。
お、いたいた。平野~!」
「どうしたの?
そんなにたくさんジュースなんか持って」
平野は嬉しそうに頬を赤らめた。
白河さんとはいつも一緒に行動するほど仲が良い。
声が大きくていつも明るい女の子だ。
誰が見ても健のことが好きなのに、健は自分のことになると大の鈍感だから平野の気持ちに気づいてすらいない。
「それがさぁ、クラスの奴に頼まれてジュース買ったんだけど、
いらないって言われちゃってさ。
こんなに買ったのにもったいないだろ?
平野、飲まないかなと思って。
白河さんもどう?
たくさんあるから好きなの選んで?」
…こいつの方がコミュニケーションスキルが高いことを実感する。
どうしてこうも自然と彼女の中に入れるんだろう。
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