11.純白な彼女

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「葉瑠はそんなこと思ってないって。 むしろ葉瑠は男子と仲良くなりたいと思ってるんだから!」 平野のその言葉に目を見開いた。 咄嗟に顔を上げて白河さんの方を見る。 「美菜っ!」 「男嫌いじゃないの…?」 またしても、健が聞きたいことを代弁する。 「どうやって男の子と接していいのかわからないだけなの。 昔好きだった男の子に言われたことがきっかけでね」 平野は続ける。 「葉瑠はかわいいんだからもったいないよ。 男友達欲しいって言ってたじゃん。 男嫌いとかそういう噂広まってるのも嫌でしょ? 本当は違うっていうこと証明しとかないとね」 「かわいくないよ!」 白河さんは図星だと言わんばかりに突っ込む。 その様子だと、平野が言っていることは全て事実であるかのようだ。 「マジ!? 今の本当?」 健の目がみるみるうちに輝く。 語調が一気に上がった。 「う、うん…」 白河さんは気迫に押されてか、遠慮がちに答えた。 「なんだ! 白河さん、男嫌いって聞いていたから、無理に話しかけたら怖がるかなってずっと思ってた。 でもよかった! なぁ、怜斗!」 「はっ?」 「いや、俺らの勘違いだったじゃん」 「知らねぇよ!」
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