11.純白な彼女

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途端に恥ずかしくなり、カッと頭に血が上る。 「…そんな、マジにならなくていいじゃん」 健の声が思いのほか室内に響いて、まるで潮が引くように辺りが静まるのが分かった。 「……っ。 俺、出るわ」 「おい、怜斗!」 俺は小学生の子供か? 同級生に冷やかされて、相手の女の子を傷つけた挙句、逃げるように教室から飛び出して。 あんな態度、俺らしくない。 教室を出る間際、視界の隅に映った白河さんの悲しそうな表情を思い出して胸が苦しくなった。
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