11.純白な彼女

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「怜斗、早くしろよ。 お前の彼女も待ち合わせ場所に着いたって。 行くぞ」 「は?」 突然間に入り込んで来たと思えば、何を言うかこいつは。 「あ、ごめん。 取り込み中だった?」 「……」 健は素知らぬ顔で続ける。 「ほら、俺先行っとくから。早くしろよ」 俺が断りやすいように、健なりの気遣いなんだろうけど。 「…ごめん。 そういうことだから」 「いえ…彼女さんがいるんですね…」 「…ごめんね。 でも、ありがとう」 「…こちらこそ突然すみませんでした! 私、有里果って言うんです。 また会ったら、声…かけてもいいですか?」 「……」 「あっ、親しくなろうとかそんなんじゃなくて…」 「…いいよ。 ごめん、俺待たせてるから行くわ」 「あ…はい。 あの、ありがとうございました」
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