669人が本棚に入れています
本棚に追加
「怜斗、早くしろよ。
お前の彼女も待ち合わせ場所に着いたって。
行くぞ」
「は?」
突然間に入り込んで来たと思えば、何を言うかこいつは。
「あ、ごめん。
取り込み中だった?」
「……」
健は素知らぬ顔で続ける。
「ほら、俺先行っとくから。早くしろよ」
俺が断りやすいように、健なりの気遣いなんだろうけど。
「…ごめん。
そういうことだから」
「いえ…彼女さんがいるんですね…」
「…ごめんね。
でも、ありがとう」
「…こちらこそ突然すみませんでした!
私、有里果って言うんです。
また会ったら、声…かけてもいいですか?」
「……」
「あっ、親しくなろうとかそんなんじゃなくて…」
「…いいよ。
ごめん、俺待たせてるから行くわ」
「あ…はい。
あの、ありがとうございました」
最初のコメントを投稿しよう!