11.純白な彼女

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薄いピンクをベースにした大きな牡丹柄の浴衣。 髪をアップにセットし、背後から覗くうなじが色っぽい。 いつもと違うのは化粧をしているせいだからだろうか。 白河さんにとてもよく似合っていた…。 「平野と白河さん、これからどうするの?」 「とりあえず屋台行って、適当に食べて、花火見ようかなと思っているよ」 「席とれたの?」 「それが全然。 急に行くことにしたからノープラン。 立ち見するつもり」 「マジ? じゃ、俺らと見ようよ!」 健の誘いにぎょっとする。 「俺らもうすでに席取ってるし、ベスポジだよ」 「いいの!?」 「うん、超大歓迎! 他の奴らもいいって言ってるし」 いや、言ってねえよ! 勝手に決めんなっ! 半開きの口で立ち尽くしたまま線で訴えると、健は気味悪く微笑んだ。 あいつ…全然反省してない…。
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