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「行こ、白河さん」
白河さんを困らせる態度が許せなくて、後先考えずに彼女の腕を握った。
健たちに文句を言い放つと、そのまま彼女の腕を引っ張って歩いていく。
どこもかしこも押し合うような混雑の中、彼女とはぐれないようにその手を強く握り締めていた。
だけど、途中でハッと息を止めた。
「ごめん!
てか、蕁麻疹大丈夫なんだっけ!?
普通に触ってしまったけど…最悪だ、俺…。
蕁麻疹、出てない!?」
すっかり忘れていた自分を責めた。
最悪だ。
俺がトリガーにでもなってしまったら、立ち直れない。
気が動転する俺とは対照的で、彼女は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。
「…あの…じんましんって…?」
返ってきた彼女の言葉に耳を疑った。
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