11.純白な彼女

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心なしか、彼女も頬笑み返したように思う。 「ひゃっ」 「あぶねっ」 前のめりに倒れそうになって、咄嗟に彼女の腕を引くと、そのまま抱きしめる。 「大丈夫…?」 「ごめんなさい!」 彼女との距離があまりにも近くて、視線を逸らすことができなかった。 やっぱり、俺は…。 もうここまできてしまったら、自分の気持ちに嘘はつけないと思った。 「……来て」 彼女の手を握り締めながら人込みの中を歩いていく。 向かったは家の近くにある小さな公園。 ここから見える花火は絶景で、そして意外にもここを知る人は少ない。 彼女をベンチに座らせると、続けて腰を下した。 辺りに人は見当たらず、俺と白河さんだけだった。 俺はどうしても、二人で話をしたいと思った。 そして彼女に、ずっと謝りたかったことを伝えた。 白河さんを異様に避ける態度を取ってしまったこと。 噂をすっかり信じて、傷つけてしまったこと。 だけど、本当は傷つけたくなくて、やさしさとは違うけれど、君に近づかない選択が君を守る術だったんだよ。 そんなこと言葉では伝えなかったけれど。
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