11.純白な彼女

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「な、楢崎くんが謝る必要なんてないっ」 らしくない大きな声に目を丸くする。 「逆に、嫌な想いをさせたよね…? 私、挙動不審だし、上手く話せないし。 美菜と一緒にいると男の子が集まることも多いんだけど、溶け込む以前に、目を合わせることもできない…。 私の事情のせいで、関係のない男の子にまで嫌な思いをさせてしまって…。 楢崎くんだってそう。ごめんね」 彼女の素直な思いに胸が痛くなる。 「謝らなくていいよ。 白河さんが謝る必要なんてない。 それほど白河さんも傷ついてきたんだろ? 今まで辛かったよな…」 彼女を傷つけた男が憎い。 きっと、男からの何気ない言葉に彼女はずっと苦しめられてきたのだろう。 それなのに、自分が悪いという。 そう思われても仕方ない。 こんな女だから、と。 そんなの、どう考えても男が悪いに決まってるのに。
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