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「な、楢崎くんが謝る必要なんてないっ」
らしくない大きな声に目を丸くする。
「逆に、嫌な想いをさせたよね…?
私、挙動不審だし、上手く話せないし。
美菜と一緒にいると男の子が集まることも多いんだけど、溶け込む以前に、目を合わせることもできない…。
私の事情のせいで、関係のない男の子にまで嫌な思いをさせてしまって…。
楢崎くんだってそう。ごめんね」
彼女の素直な思いに胸が痛くなる。
「謝らなくていいよ。
白河さんが謝る必要なんてない。
それほど白河さんも傷ついてきたんだろ?
今まで辛かったよな…」
彼女を傷つけた男が憎い。
きっと、男からの何気ない言葉に彼女はずっと苦しめられてきたのだろう。
それなのに、自分が悪いという。
そう思われても仕方ない。
こんな女だから、と。
そんなの、どう考えても男が悪いに決まってるのに。
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