11.純白な彼女

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「…俺、白河さんに嫌われてるんだと思ってた」 「嫌ってなんかない!」 らしくない彼女の大きな声に、瞬きをしながら固まる。 「嫌うはずなんてないっ! むしろ、私は楢崎くんのことがずっと好きで…」 彼女はそこでハッとして、両手で口元を隠した。 「あっ、あの…違くて…、いや、違くないんだけど……」 彼女は目を泳がせながら続けた。 「あの…っ、もう戻ろう!? 美菜達もきっと待っているだろうし」 「待って」 逃げるように腰を上げる彼女の腕を掴んで阻止する。 「あの…」 彼女の声がかすかに震えているのがわかった。 逃がさない。 絶対に。 彼女を見つめながらそっと近づくと、手を差し出した。 そして彼女の小さな手に絡める。 「…続き、言ってよ」 聞きたい。 白河さんの言葉で、声で。 「…な、楢崎く…好き…っ」 その涙声に、 俺はもう、自分を抑えることができなかった。
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