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手を繋ぎながら健たちが待つ場所へ向かうと、案の定みんなは待ちくたびれたような顔で待っていた。
俺と葉瑠を交互に見ると、健たちは目を見開いたまま固まってしまった。
その表情が予想していた反応をはるかに超えていて、内心ほくそ笑む。
「俺ら付き合うから」
さらりと答えた。
「は?」
健は呆然としていて、突然の展開についていけない様子だ。
「誰と…誰が…?」
「俺と葉瑠が」
「はぁー!?」
「うるせぇな。
おい、もっと静かに、」
「マジかよ!
中々帰ってこないと思ったら…怜斗…うぜーっ」
うざいのはお前だろうが。
葉瑠に視線を向けると、カミングアウトに目をぱちくりさせている。
そんな葉瑠を平野は執拗に問い詰めていた。
「葉瑠って、もう呼び捨てかよ。
付き合ったら余裕たっぷりなんだな。
最近まで俺らの前で白河さんの名前を呼ぶことすら躊躇っていたのに?」
「怜斗も俺らと同じで単純なんだよ。片思いの時は臆病で何もできなかったけど、両思いだとわかった瞬間この変わりようだもんな?」
ニヤニヤとお決まりの不気味な笑みが飛んでくる。
「お前ら…」
図星すぎて、何も言えない。
「単純行動型だからな、怜斗は」
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