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あの人は誰なのかしら…。
とても綺麗な銀の髪。
あたたかな光に包まれているように見えた。
いつも遠くから私を見つめている…。
初めて見かけたのはいつだったかしら?
お母様の具合が悪くなってからだから、そんなに長い時は経っていないわね…。
でも、なぜかしら…
とても懐かしい気がするの。
外の人?
この森には私たちだけが住むのだもの、
外の人ね…。
でも怖くなかった。
外は怖いところのはずなのに、あの人はとても優しそう…。
明日も会えるかしら?
でも、お母様には言えない。
きっと心配するわ。
だから、内緒…。
ディアンは寝床の中でため息をついた。
母の禁を破り、外の者に気持ちを向けてしまっている。
自分が嘘をついているような気がして心が沈む。
それでもディアンは、言葉を交わすことさえしないその者に、すでに心奪われていた。
毎晩思ってしまう。
"あの人に会いたい。
早く明日にならないかしら…"
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