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ヨシュアの館。
サラが困り顔で立っている。
このごろはおとなしく神界におられたのに…。
またどこかへ消えてしまわれた。
「…ヨシュア様…?」
サラの横を何かの気配がすり抜けた。
ヨシュアの気によく似ている。
それは微かな風のように館の中をしばらく漂って、消えた。
サラの胸に誰かの声が響いた。
細く小さく哀しげで、そして切ない懐かしさに満ちた声。
"ヨシュア…"
たしかにこの館の主の名を呼ぶ声であった。
あるいは幻の声だったろうか…。
ヨシュアを探す自分の心が聞かせた幻だったかもしれない…。
サラは黙って館を出た。
探したところで神界にヨシュアはいないだろう。
わかっている。
もう自分の仕事は終わったのではないだろうか?
そんな気がして、
サラは自分の造り主の名をつぶやいた。
セオル様…
セオル様、
私はいつまで此処におらねばなりませぬか…?
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