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「……まいった」
だから僕のところには
日がな一日
何かを求める人間が訪れて。
「……本当にまいった」
セックスやお遊びの話ではない
至極まともな――その割に頭の痛くなる話を
延々と聞かせて帰ってゆく。
僕にできることはただ一つ。
『検討しておきます』
にこやかに微笑んで
その魔法の言葉を口にすること。
「やれやれ」
そうして
保留にしておいた全ての事案を。
「はい――お疲れ様」
「やっと現れたね。僕の救世主」
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