ある二人

｢それで？そのカフェは何が普通と少し違うのかしら？｣

｢それがですねぇ……と。その前に幾つか確認しても良いですか？｣

｢別に良いけど｣

｢では。……沙江さんって、これまでカフェに行ったことはありますか？｣

｢……馬鹿にしてるのかしら？｣

｢いえ？この質問は次の質問をするに当たって必要なんですよ｣

｢……あるけど｣

｢では、そのカフェは何かしらの音楽は流れていましたか？｣

｢……流れていたけど｣

｢はい。ありがとうございました｣

｢……今の質問に何か意味は有ったのかしら……？｣

｢えぇ、大有りです。そのカフェの少し違うのは正にそれ関係ですから｣

｢……どういうこと？｣

｢つまり、そのカフェに流れていた音楽が気に入った場合、その音楽のＣＤを貸し出してくれるのです｣

｢……ふーん｣

｢……何ですか？その『勿体ぶった割に大したこと無かったな』的な反応は！？｣

｢べっつにー｣

｢……むぅ。まぁ良いですけど｣

｢なら、そろそろ行きましょうか｣

｢……何故沙江さんが仕切っているのか知りませんが、賛成です｣