ある二人

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――――――――――― 「ここです」 「『カフェ ほのか』、ね。佇まいもネーミングも普通なのね」 「そうですよ。何を期待してたんですか?」 「システムと同様に何かが少し違うのかと」 「システム以外は普通と変わらないって言いませんでしたっけ?」 「言ってたような言ってなかったような……」 「言ったはずですよ、と。あ!香子(キョウコ)ちゃ~ん!」 「あ~!奈緒ちゃ~ん!」 「あぁ、あれが……」 「はい。仄(ホノカ)香子。それが彼女の名前です」 「いや~、待ちくたびれたよ~。奈緒ちゃんなかなか来ないんだも~ん」 「時間通りのはずだけど?」 「いやいや~、普通待ち合わせしたら十分前が基本じゃな~い?」 「ん。今度から善処するよ」 「……この子の話し方は少し普通じゃ無いみたいね」 「そうですか?」 「奈緒ちゃ~ん。この人が例の?」 「うん。『ポチ』さん……もとい犬飼沙江さん」 「初めまして」 「初めまして~。奈緒ちゃんの事だから多分もう言ってると思いますけど~、私は仄香子って言います~。『クラスルーム』だと『ホノカ』ですね~」 「あぁ、たまに話に出てくるホノカは貴女の事だったのね」 「恐らくそうかと~」 「とりあえず今日はよろしくね」 「はい~。では中へどうぞ~」 「「お邪魔しまーす」」
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