ある二人

｢ねぇ、仄さん｣

｢なんでしょ～｣

｢表に『close』の看板が掛かってた気がしたのだけれど｣

｢え～とですね～｣

｢今日は休業日なんですよ｣

｢ですです～。奈緒ちゃん代弁ありがと～｣

｢休業日なのに入ってよかったのかしら……？｣

｢ちゃんと許可貰ってるんで大丈夫です～｣

｢どうせ『しっかり稼いで来いよ』とか言われたんじゃないの｣

｢よく分かったね～｣

｢じゃあ頼ませて貰おうかしら｣

｢オススメはコーヒーです～｣

｢じゃあコーヒーで。銘はオススメで良いわ｣

｢毎度～｣

｢私も同じの。あと、サンドウィッチとパンケーキを二つずつお願い｣

｢うぃ～。ついでに犬と猫のエサも持ってくるね～｣

｢どうもありがとうね｣

｢そうそう～、今日は特別にBGMを奈緒ちゃんが好きなやつにしとくね～｣

｢ホントに？ありがとう｣

｢『ポチ』さんとの話の種にでもしてくだされ～｣

｢分かったよ｣

｢じゃあ準備してくるね～｣