ある二人

｢いや～、まさか沙江さんとニアリーで盛り上がれるなんて……！｣

｢私も奈緒ちゃんと盛り上がれるなんて思ってなかった……！｣

｢……フフフ｣

｢え。どうしたの、奈緒ちゃん？｣

｢いや、さっき盛り上がってた時にですね、沙江さん、口調が年相応になってて可愛かったな～、と思っただけです｣

｢……本当？｣

｢本当です。嘘をつく理由が無いですから｣

｢……ん～、今日ばっかしはお姉さんでいたかったんだけどなぁ｣

｢同い年じゃないですか｣

｢それはそうなんだけど、初対面でそれなりのキャラが出来ちゃったじゃない？お互いの呼び方だって『ちゃん』と『さん』になっちゃったし｣

｢沙江さんって呼ばれてるの気にしてたんですか？｣

｢ん、少し｣

｢じゃあ今から変えますね｣

｢今から？違和感無い？｣

｢沙江ちゃんが気にしなければ良いだけの話です｣

｢……切り替え早いわね｣

｢よく言われます｣