ユニコーン

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草原を駆ける、頭にドリル状で鋭くとがった角、山羊のひげ、二つに割れた蹄を持った馬。 ユニコーンは知能が高く、鋭い感覚を持つため、まず捕らえることはできない。非常に警戒心が強く人を滅多に寄せ付けないが、処女にだけ心を許してその膝枕で眠るため、それを利用して捕まえることができたといわれる。清らかで神聖な存在として描かれることが多いが、その性質は獰猛で荒々しい。生け捕りの際も、もしその処女が偽物、つまり非処女であることが分かった場合は、激しく怒り狂い、その女性を八つ裂きにして殺してしまうという。 ユニコーンの特徴である角は、特別な力を持ち、魔除けやいかなる病にも効く薬として珍重された。 ユニコーンの角を粉末にした薬は万病を治し、死人まで蘇らせる、として多くの狩人がユニコーンを探した。現に中世のヨーロッパではユニコーンの角が売られていた。実際のところはイッカククジラの角から作った薬だったようだ。
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