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「さて!
今夜も頑張ってウォーキングしながら帰ろっと!」
私は、今日一日の仕事を終え、ウキウキしながら帰り支度を始めた。
すると…
「久美!!
どう?この後、飲みに行かない?」
「そうそう!
待ちに待った金曜の晩だし、パァーッと行こうよ!」
と、職場の友人、良子と香が飲みに誘ってきた。
「何かさ!
今日、福山町で串揚げ屋さんがオープンして割引やってるんだって!久美んちの郵便受けにもチラシ入ってたでしょ?!」
「そうそう!私の所にも入ってたわよ!」
良子と香が、交互にまくし立てる。
…え?
郵便受けにチラシなんか、入ってたっけ…。
「ね?行こうよ!
金曜の夜に串揚げ屋だなんて、まさに『フライデー・ナイト』じゃないの!!」
良子が、微妙に上手い事を言う。
「う~ん…」
もちろん、いつもの私なら、その誘いに一も二もなく飛び付く所だが…
せっかく、体重が減りはじめた矢先…ここで串揚げを食べてお酒を飲んでしまっては、数日間の努力が水泡に帰してしまう…。
「二人とも…ごめん!!」
私は悩んだ末、
「今夜は、ちょっと用事が有るのよ」と言って彼女達からのお誘いを断った。
私は…
早朝のジョギングや帰宅しながらのウォーキングを始めた事を職場の誰にも言っていなかった。
さすがに「社内報のイベントで得票数が落ち込んだから、ダイエット始めた」なんて…
恥ずかしくって、とても言えたものじゃない。
それに、良子も香も私と同様に『得票数1票軍団』の団員達である。
ダイエットの話をすると、何か『抜けがけ』しているように思われるかもしれない。
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