夢路を辿る前に

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「……兄さん、生きてんの?」 「おはよう。見ての通り生きてるぞ」 「嘘だろ…ゴキブリかよ…」 「害虫扱いは酷くね?泣きそうだわ」 「知ってる?豚って体脂肪率一桁なんだって」 「それ今関係ある?」 「さっきのは褒め言葉だって言いたかった」 「褒められた気が全くしない不思議」 「というか、何で部屋にいるわけ?」 「自分の部屋にいるのは普通だろ!」 「普通、だな確かに、うん」 「だろ?……え?え、泣いてんの?え、そんなに嬉しい?うわ、なんか照れ」 「兄さんごめん、怒らないで聞いて。この前俺がオカズにしてた本と玩具が母さんにバレた。それで咄嗟に兄さんのだって嘘ついちゃって、兄さん今、ハードSM好きのマゾってことになってるから」 「おいおまえふざけんな」
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