0人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
部屋の中は散らかっている様子はなく、かといって綺麗な感じもしなかった。ヘビースモーカーなのか壁紙が黄ばんでいて何故か油っぽい印象を受けた。損沼が食卓用のテーブルに佐野を招いた。佐野は席に着くと名刺を渡して早速話を始めた。
「以前、井上が担当していましたが今後、私が担当することになります。」
「携帯番号教えて頂きます?」
佐野は教えたくなかった。以前に井上が嫌々携帯で対応している姿を見ている。しかし会社に掛かってきても事情がわからない事務員や上司が困るだけというのも知っている。仕方なく佐野は携帯番号を教えた。
最初のコメントを投稿しよう!